筆者の経験からいうと、出版業界はとかく「内と外」を分けたがる業界です。外部(と見なす)スキャン代行業者からの声に耳を傾けるようになるのか、それとも自らの論理を突き通すのか。後者を選択してガラパゴス化しないでくれるとよいのですが……。
なお、今回の質問状送付に対する今後の動きを予測しておくと、まず、スキャン代行業者は、権利者からの許諾可否を受け付ける仕組みを用意し、許諾が取れないものは一括して受け付け拒否するところが増えるでしょう。その一方で、「著者」に直接利益還元モデルを提示しながら、許諾を得るという動きもありそうです。出版社は、許諾を得ずにスキャンを行っている悪質な業者と民事または刑事訴訟で争うことになっていくと思われます。
ポイントは、スキャン代行サービスで出版社に損害が出ているかどうかですが、この立証はなかなか難しいですし、「損害はない」といってそれがバンバン広がってしまっては、条文では明確に違法なので、どこかで違法化、あるいは「逆の明確化」がなされることもあり得るでしょう。その一方で、業を煮やした消費者からの集団訴訟なども可能性としては考えられます。
そんな中、スキャン代行サービスで著名なBookScanが米国でも「1DollarScan」というスキャン代行サービスを立ち上げ、人気を博しているようです。米国の複数の弁護士事務所から違法性なしとの見解をもらい、また、スタンフォード大学のフェアユースを研究している教授からも問題なしとの回答を得ていることが分かっています。日本で起こっている動きと比べるとその温度差に少し驚きますね。
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